2018年1月28日日曜日

休載の代わりに

メモ帳を漁っていたら、相撲雑誌に投稿しようと思って正月に書き、結局送らなかった文章が残っていたのでここに載せることにする。
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再認識した相撲の魅力

最近は「土俵外」のニュースばかりで疲れていた。そんな大晦日に、「朝青龍を押し出したら1000万円」という、8人の力自慢が元横綱朝青龍に次々に挑むという企画のネット番組が放送された。こういう気楽なのもいいな、と軽い気持ちで見ることにした。

格闘家のボブ・サップさんや、五輪銀メダルの泉浩さんなど、個性的な挑戦者たちが元横綱に挑んで行った。それなりに面白かったが、残念ながら勝負というほどのものではなかった。

最後に登場したのが、力を残して引退した元大関の琴光喜。そこで朝青龍はそれまで着けていた稽古まわしから、現役時代と同じ黒の締め込みに変えた。

それから空気が明らかに変わった。一つ一つの所作を噛みしめるように丁寧に行う2人。これが本当の相撲だというのを見せてやろう、と確かめ合っているようであった。

勝負は元横綱に軍配があがったが、2人の相撲ぶりは現役時代を彷彿とさせる、それまでの「試合」とは全く違う美しさがあった。相撲は1人では取れず、2人の力士がいて初めて相撲になるんだと、そんなことを思った。

予想外のところで、忘れかけていた相撲の魅力を思い出させてもらった気がした。横綱、大関、ありがとうございました。

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