2017年11月2日木曜日

夢一夜

 いつものようにバイトを終えて帰ろうとすると、社員さんに呼び止められた。
「市島君、ちょっとシフトのことで相談なんだけど…4月の6日って入ってもらえる?」

 4月?
 
 カレンダーを見る。2018年4月のカレンダーである。パソコン。2018/04/01。
 何かおかしい。スマホを見ると、いくつかの着信とメールが届いていた。内定先からだ。
「どうしましたか?みんな待っています」

 もう4月になったのに間違えてバイト先に来てしまったのか?11月だと思っていたのに…。こんなことがあるのか?この5カ月間の記憶はない。

「すみません、ちょっと頭がくらくらして…失礼します」

トイレに駆け込んで鏡を見ると、めちゃめちゃ髪が伸びた自分がいた。俺の髪って、伸ばしたら案外くせ毛なんだな…。
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 友人に尋ねる。
「今ってまじで4月なの?11月からの記憶がない。」
「いや、ずっとお前ふつうにしてたよ。」
 周りから見ると普通に暮らしてきたようだ。髪を切ることだけは断固拒否していたらしい。しかし実感としては突然タイムスリップしたような感じだ。もしここが4月だとするとぜひ聞いておきたいことがある。
「あ…そういえば俺って卒業できたのかな?!」
「さぁ、できてないとは聞いてないけど…」
 はっきりしろよ!使えない未来人め。だいたいお前は誰なんだ。

「じゃあ11月以降で急にブレイクした芸人とかいる?」
「あぁ~。う~ん。にゃんこスターとか?」
「それはもうちょっと前からだわ。他には?」
「あと…ジーナルドフィールドとか。」
「おぉ、聞いたことない!その名前は覚えておこう!ジーナルドフィールドね。」
「あと有名人で死んだ人いる?」
「キネンキナ先生…」
「え?知念里奈?」
「いや、キネンキナ先生だよ。お茶の家元の…」
「誰なんだよ!」

 誰なんだよ!

 ………

 ………

 終わりでーす。(三四郎風に)
 起きてすぐメモったが、ジーナルドフィールドは検索しても出てこなかった。どこから生まれた単語なんだ。

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