学校近くを歩いていたら、おばあちゃんと、その孫らしき男の子、女の子、3人で歩いていた。
セミの声がじいじいうるさいと思ったら、男の子の手にセミがいた。
「おいおい素手でセミとはさすが子供、やるわい」
とよく見たら、両手にセミを持っていた。
「両手に花ならぬ、両手にセミか、」
と思って女の子のほうを見たら、この子もセミを持っていた。
「やれやれとんだおてんば娘じゃわい」
と反対の手を見ると、やっぱり持っていた、セミを。
「女の子でも虫が大丈夫な子は大丈夫なんだなあ、子供はすごい」
と感心した。
そうして、ふとおばあちゃんを見ると、なんとおばあちゃんまでセミを持っているではないか。
「こんなことってあるだろうか?」
しかしおばあちゃんは片手だけに持っていた。
3人と5匹。恐るべきセミ一家。セミは絶望の声を張り上げていた。
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